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第2回電王戦を機に将棋を指すようになりました。棋力は全く上がりません。 主に大盤解説会の話題。

第76期名人戦七番勝負 第一局 椿山荘 #大盤解説会に行ってきた

2018年4月11日(水)、12日(木) 東京 ホテル椿山荘
遂に第76期名人戦が始まる。
例年よりも温暖な3月は早くに桜を咲かせ葉桜へと姿を変え、4月の東京は初夏とも思わせる気候が続いていた。
波乱というべきか、順当というべきか、名人への挑戦権は羽生竜王が手にしていた。目まぐるしく時が進んだ2017年度の将棋界は、永世七冠、国民栄誉賞、藤井六段(四段、五段)の台頭、タイトルの遷移、A級順位戦とプレーオフ、と私たち将棋ファンを飽きさせることがなかった。この嵐ともいうべき1年の最後に、第4コーナーを大外からぶっちぎってきたのが羽生竜王である。その恐るべき馬脚は48歳にして衰えず、むしろ力強くさえなっている。自然の摂理が働かない異世界の住人か。
迎え撃つ佐藤天彦名人は、より一層個性が際立つ1年だったように思われる。数々のメディアでの露出で、違った側面から将棋にスポットライトを当てさせていた。昨年は稲葉八段の挑戦を退け、名人の座をしっかりと自分のものとしている。まずは三連覇、そして五連覇での永世位獲得という野心も無くしてはいないだろう。

目白駅からバスに乗り椿山荘に向かう最中、3月の浮月楼での出来事を思い返していた。静かに興奮した最終局一斉対局での深夜の決着。あれから1か月ほどが経過している。振り返りたくなる3月。濃厚で脂っこい3月。

大盤解説会場は、ホテル椿山荘 1F ギャラクシー。
その名にふさわしく UFO のような巨大シャンデリアが私たちを出迎えてくれる。

今年は大盤ではなく、PC とプロジェクターによる解説会で後ろの席からは見やすいかもしれない。


解説は戸辺七段、聞き手は甲斐女流五段である。
女流五段という肩書は、改めて聞くと厳かだ。
戸辺七段は終始、軽快に、時折色々なエピソードを交えて話を進めてくれ、手の進みが遅い初日も大いに楽しむことができた。
甲斐女流は、詰めろ・詰みの見え方が本当に早く、戸辺七段との息もぴったりで、清々しい気持ちにさせてくれる。

戦型は大方の事前の予想通り、「横歩取り」となり、初日は激しいながらもスローペース。
たぶん、戸辺七段、甲斐女流共に横歩取りは公式戦では指さないであろうながらも、近年の傾向や昨今の対局情報なども加えながら、分かりやすく解説がなされる。


初日には立会人の森九段も解説会場に来て、自身のアマチュアの頃のエピソードを話してくださった。長身でスマートな森九段はカッコいい。古い映像で見た名人に挑戦する端正な若者の影は、いまだに残っていると感じる。どこか生意気で鋭さがあり、でも押しつけがましくない。若輩の私が言うのも失礼かもしれないが。

二日目に入り、一手一手が慎重に指され、形勢判断がどんどん難しくなっていく。
副立会人の阿久津八段、大石七段、ゲストで伊藤五段、渡辺棋王、広瀬八段など、錚々たる棋士が解説を進める。揺れ動く判断。何度も口から出る「難解」という言葉。もうアマチュアには理解できない領域の将棋は、最高峰たる名人戦に相応しい大熱戦となっている。

副立会の二人

「近所なので来ました」と言う伊藤真吾五段

順位戦では色々あったが、本解説会では絶口調の渡辺棋王。

再びの A級となる阿久津八段。

「伊藤五段は詰将棋選手権12位ですが、私は5位です」と笑いを誘う広瀬八段。

形勢は揺れ動き、一時は後手にも振れたと思われるものの、ここでの解説会では終始、先手良しのスタンスで解説が進められていたように感じる。それだけ羽生竜王の信頼が絶大ということであろう。

変化が多く、じっくりと進む将棋。
解説会場では対局場の音声が入ってこないため、指し手が進むと観客から声が上がる。300人以上の来客で膨れ上がった会場の熱気と呼応するように解説が進む。まるでコンテンポラリージャズでコールアンドレスポンスに興じているかのようだ。会場全体が名人戦を戦う二人、将棋へのリスペクトが止まらない。この空気感こそが現地大盤解説会の魅力だ。

20時を越え、いよいよ終息を迎えようとしている。急な展開で合意をした二人は、長い長い終盤を二日に渡り戦い続けた。でも将棋はいずれ終わりが来る。最後はパタパタと進む。

結果は既報の通り、先手 羽生竜王が勝ち、通算1400勝を達成しました。故・大山名人より約20年早く1400勝を達成したそうです。最早意味が分かりません。



時計の針をも進ませぬ絶対的な強さを感じる一局。
名人奪取で、後10年は君臨し続けそうな気配。
そういった余韻に浸りながら帰宅の途に着きました。

自宅に帰ってきたらテレビニュースでも報道されていました。
いつもの、勝った後に淡々と話す羽生竜王。


第2局、佐藤名人の逆襲なるか?
本当に楽しみです。

今日も疲れた!
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