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雑談用ブログです。 レポート等は shogi.pw (ゆるく将棋三段を目指す) で継続します。

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第45期 岡田美術館杯 女流名人戦 五番勝負 第2局 前夜祭・大盤解説会に行ってきた

2019年1月26日 朝、出雲に着いた。
前日の夜に新宿から夜行バスに乗り13時間。初めて深夜バスに乗ったが車内で寝られたこともあり朝から調子が良い。しかし、出雲の朝は寒かった。気温3度、時折、霰まじりの吹雪となるなか、出雲大社を散策する。午前中は人が少なく静かにゆっくりと周ることができる。女性の参拝客が多いのは縁結びスポットとされているだろうか。あるいは最近の神社仏閣は女性客が多いのか。隣接の島根県立古代出雲歴史博物館にも立ち寄り、出雲の歴史を学習する。出雲そばを食べ、出雲市駅前の風呂に入り、喫茶店でコーヒーを飲んでホテルにチェックインする。


 


[完全アウェイの前夜祭へ]

駅前のホテルから前夜祭会場のニューウェルシティ出雲までは1kmほどなので徒歩で向かう。が、寒い!風が強く、雪も降ってきた。暗い!半泣きになりながら会場に到着する。



定員150名の前夜祭は満席。里見女流名人のお膝元とあって応援するファンも多いのだろう。格式ばった感じではなく和やかな会で、とても温かみを感じる。出雲市長も里見女流名人を熱烈応援しており、町を挙げてのバックアップ。里見さんはとても心強いだろう。里見さんの表情は、心なしか普段よりもリラックスしているように見える。

前夜祭の様子は公式ブログも参照ください。
http://kifulog.shogi.or.jp/joryumeijin/

出雲市の乾杯条例により日本酒で乾杯する。



島根県の地酒も並ぶ。左から以下。どれも旨い。
 ヤマサン正宗 酒持田本店 http://www.sakemochida.jp/
 じゅうじあさひ 旭日酒造 http://www.jujiasahi.co.jp/
 天穏 http://www.tenon.jp/
 出雲富士 http://www.izumofuji.com/

 
料理も多く並ぶ。昼に蕎麦を食べたけど夜も食べる。

井上慶太理事がインフルエンザで欠席のため、佐藤康光会長の挨拶文を畠山七段が代読する。インフルエンザが流行っている。気を付けていても感染する時は感染する。

隙を見て伊藤女流二段と少し話をする。やはり、アウェイの空気感をひしひしと感じているよう。前夜祭自体が里見後援会みたいなものだから致し方ない。たまたま隣の席になった男性と一緒に伊藤女流と共に話をしにいっており、彼は直前に出雲に越してきたばかりと聞いていたので「彼は出雲に住んでますが伊藤ファンです」と勝手に紹介する。「引っ越してきたばかりで(苦笑)」少なくても援軍が近くにいるということが、少しでもプラスに働いてくれれば良いし、リラックスして過ごして欲しい。

将棋の応援というのは難しい。今回のように顔を知っててもらっていて、直接、激励できるということは本当に少ない機会である。前夜祭だって関係者のみということもある。タイトル戦以外の対局では、その多くは棋譜中継されず注目度ははかり知ることができない。ファンも直接応援する術はない。そもそも棋士にとってファンの応援は、どのような位置づけになるのだろうか?盤に向かうと完全に孤独な戦いとなる。スポーツと違って声援は聞こえない。淡々と対局に勝てば良いだけなのかもしれないが、そのうち何のために戦っているのか自問することになるのではないだろうか。人が強くなるには、そして、自分の持っている力以上の力を出すには他人の介在が欠かせないと思う。自分自身を最初から最後まで100%信じきれるという人であれば、他人の力は必要ないかもしれないが、その領域は鬼か神。だから人は人を応援する。棋士が、どのぐらい応援を欲しているのかは分からないところではあるが。

対局者は意気込みを語った後に退場し、畠山鎮七段、和田あき女流初段、小高佐季子女流2級が戦型予想をする。里見女流名人は振り飛車でほぼ確定だが、伊藤女流は何を指すのか分からない。畠山七段は「伊藤さんはこの半年でかなり力をつけている」と評価している。小高女流は制服姿、まだ高校生だ。「伊藤さんとは9才ぐらい年が離れていて、優しい将棋のお姉さんという感じです」伊藤女流二段も中堅の立場だろうか。


そんなこんなで前夜祭は終了。帰りはホテルのバスで出雲市駅まで帰る。

資料類はこちら (shogi-archives.com)


[大盤解説会 会場に向かう]
会場は出雲市駅から徒歩圏内ではないので、何かの交通手段で移動しなければならない。せっかくなので一畑電車に乗ってみる。

電車の事は全く詳しくないのだけれど、藤井七段もこのブログを読んでいるかもしれないので写真を載せておきますw 
詳しい説明は、車両図鑑で。

途中で乗り換えるので2つの種類の車両に乗る。
1.7000系JR四国の7000系を改造したとのことです。

2.5000系元京王電鉄5000系の車両とのことです。京王なら乗ったことあるぞ。

車内の雰囲気は昭和の風情

浜山公園北口という無人駅で降り、15分ぐらい歩いて会場に向かいます。
ちなみに駅前には何もありません。畑や民家が点在しています。


[大盤解説会]
昨日とはうって変わっての晴天。肌寒さはあるが気持ちの良い朝を迎えた。
対局の場は、出雲文化伝承館 松籟亭、大盤解説会は 縁結び交流館 で行われる。
 

この建物で対局が行われている。念を送る。
すぐ横には蕎麦屋 羽根屋伝承館店もあり、誰でも利用できる。
もちろん私も蕎麦を食べる。
 

大盤解説会 会場の開場は13時の予定だが、時間前には50名以上の待ちが発生し予定よりも少し早く開場する。


対局の進行が速いこともあり、大盤解説会が10分繰り上げて13時20分から開始となる。

棋譜は公式サイトより参照ください。
http://live.shogi.or.jp/joryumeijin/kifu/45/joryumeijin201901270101.html


満員で立ち見まで


昼食休憩前までに41手まで進んでおり、互いの玉が囲われないままの際どい折衝となっている。戦型は先手中飛車、後手三間飛車から始まっているが、現局面だけみると居飛車対四間飛車になっている。

既に twitter 解説の池永天志四段は先手有利と言及している。
「後手はこの局面では昼食の味がしませんね」(畠山七段)

大盤解説は畠山七段と和田女流のみで行われ、2回の次の一手クイズの着手待ちの間だけ休憩し、それ以外の休憩無く、ほぼノンストップで進行した。若い和田さんはともかく、畠山先生の体は大丈夫だろうか?

会場は満員。さすが、里見女流名人のふるさと。99%が里見女流名人の応援だろう。ここでも完全アウェイだ。かといって、露骨に里見持ちで解説しないあたりが畠山先生のバランス感の良さだろう。勝つというのは細いロープの上を歩いて渡るのような難しさがあり、一手でも緩めば持っていかれるという厳しさを知っているからこそ、安直に優勢、勝勢という言葉は使わない。

途中、報知新聞からのリクエストで大盤解説会場で観客をバックに食レポシーンを撮影する。

この後、休憩の際に全て食べたとのこと。大きなケーキでしたよ。

次の一手は2回開催され、いずれも和田女流が示した候補手への投票が多く(和田80、畠山20、その他50のような票数)、畠山七段が少し落ち込む。
「和田さん人気だね」
「また来年も呼んでください!」

先手優勢で進んでいた局面において、意外そうな反応をしたのが1回、後手チャンスかもと言ったのが1回。

83手目▲5三金に対して、後手が△6二銀右と指した局面で、△6二銀打を予想していた。
「ここで節約するとは伊藤さんも強気ですね」(畠山七段)
ここで受けきって勝負できそうという形勢判断だったようだ。確かに先手からの攻めが渋滞している。


そして、後手△7四歩に対して、ここで何かチャンスがあったのではないだろうか?この手ではなく、△7七成香、▲同桂、△7六桂から際どく迫れなかったどうか。

早い終局も予想されたが、終わってみれば121手の大熱戦。時間は17時を迎えようとしていた。

ほどなく対局者が大盤解説会場に来てくれる。大きな拍手で迎えられる。
里見女流名人は松葉杖だが壇上にあがる。

里見女流名人の局後の言葉は割と本音が出る。以下、概要。

「里見女流名人から、この一局の感想をお聞かせください」(畠山七段)

「そうですね。(少し間がある)序盤は少し良いかなと思ってたんですが(少し小声で)、その後、攻め合いになってしまって、ポイントを活かした将棋ができなかったかなと。5三金がちょっと、他の手が分からなくて。打ってしまってから、ここは悪くしてしまったかなと思ってました。」(里見)

「秒読みの局面ではありましたが、ツイッター解説でも形勢不明と言われていました。我々も伊藤さんにチャンスが来たのではないかと。どのように考えられていましたか?」?(畠山)

「序盤から慣れない形になって、自分から3筋の交換をして自分でまた歩を打って、形勢は良くないのかなと。5三金の局面で良い手がちょっと見えなかったので。」(伊藤)

里見女流名人は、すっきり勝ったというような表情ではなく、まだ頭の中で振り返っているようでした。(私が何回か見てきた限りでは)勝っても負けても笑顔を見せる里見女流ですが、今日ばかりは首を傾げながらの応対でした。伊藤流の盛り返しと、自分の着手の正当性が噛み合っていないのかもしれません。

両対局者が対局室に戻り、大盤解説会が終了しました。
地元のマスコミがビデオカメラを回したり、観客にもインタビューしたりしています。昨日の某氏も新聞記者と思わしき女性からコメントを求められています。その後、車に乗せてもらい出雲市駅まで送っていただきました。感謝感謝です。地方はやっぱり車が便利ですね。

翌日は、島根日日新聞のトップに。里見さんは地元のスターです。だからこそ、ぎゃふんと言わせたかった。私の念力も及ばずです。

私は日曜日も宿泊し、月曜に帰宅の途に。
出雲は静かな街でした。せかせかした都会の日常を忘れ、しばしゆっくりさせてもらいました。

 

さらば出雲。また逢う日まで。

(@totheworld)

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