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第2回電王戦を機に将棋を指すようになりました。棋力は全く上がりません。 主に大盤解説会の話題。

ABLE2014 Autumn トークセッションに行ってきた

http://able2014-autumn-talksession.peatix.com/
登壇者
 ○Anders Ericsson (フロリダ州立大学教授)
 ○羽生善治    (プロ棋士)
 ○小島慎也    (プロチェスプレーヤー)
 ○安西祐一郎   (日本学術振興会理事長・中央教育審議会会長)
 ○銅谷賢治    (沖縄科学技術大学院大学教授)
 ○万小紅     (北京師範大学教授)
 ○加藤貴昭    (慶應義塾大学准教授)
 ○市川力     (東京コミュ二ティスクール探究プロデューサー ABLE主宰者)
 ○今井むつみ   (慶應義塾大学教授・ABLE主宰者)

 
会場の雰囲気

テーマは探究トレーニング(Deliberate practice) と熟達者ということで、羽生さんとチェスの小島さんが体験を語るという構成。
 
[羽生さんの単独スピーチで印象に残ったこと]
1. 小学生の頃は街の外れに住んでいて、土曜日の買い物の際に将棋倶楽部に行って将棋を指し、両親が買い物を終えたら一緒に帰宅していた。(実戦は週1回)
2. 将棋クラブに行かない時は、新聞欄の棋譜を見て次の一手を考えたり、違う手をどうやったらどうなるのか、という事を考え、翌日の新聞を読んで確認していた
3. 将棋は膨大な可能性があるため、学んだことと同じになることは少ない (序盤を除き)
4. そのため未知の局面に遭遇した際に、どのようにしたら正しい手を指せるかということが重要だが、それには先の事を読む力が必要
5. 読むプロセスは盤駒を使う訳にはいかないので、頭の中で行う。頭の中に将棋盤が作る必要がある。難しそうに思えるが、一定の訓練を積めば、簡単で誰にでもできる。
6. 手を読めても、判断ができなければ意味が無い。3手の読みの話。
7. 経験を積むと、判断する要素を増やす、あるいは減らし、鍵となる要素だけで判断することができるようになると思われる。
8.大山先生がまさに、そのようなアプローチで、あたかも考えていないかのように指していた。実際に考えないで指していたんでしょうね。
9. たくさん読めることは良いことだが、反面、迷いや不安というものが出てくる。そういった心理的な面を克服しなければならない。
10. 18,9 才が記憶力のピークだったので、それ以降は経験などを加えて上達していくしかない。
11. コンピューター将棋の強いところは、沢山計算できるのと同時に、初めてその局面を見た視点で考えられる。人間だと損をすることに抵抗がある。(打った歩を直後に成り捨てたりすることができない)
12. 合理的な選択は窮屈でもある。常に、見たことも無い局面を見てみたいという気持ちと、勝たなければならないという気持ちが同時に存在している


[その後のパネルディスカッションや各教授の発表の趣旨]
1. 訓練(練習)をすれば、誰しも熟達者になれるのか?ということについて、そんな事はあり得ないのだが、かといって、遺伝子がすべてを決めている訳ではない。
2. 国際的トップレベルになるためには、20歳までの間に1万時間の習熟が必要
3. 練習方法が重要。一人で深く考える時間が無ければトップレベルにはならない。

これを聞いて、羽生さんの子供の頃の日々がリフレインする。
つまり、一人で時間をかけて深く考えるということを身に付けなければ、トップレベルにならないということが科学的に証明されつつあり、羽生さんは奇しくも同じ道を辿っていたということ。昔はインターネットも無く、対戦をするには道場に行くしかなかったのだけど、それは逆に一人の時間の使い方を、自分なりに身に着けて、自分自身で振り返りながら学習を進めたことが、今に繋がっているということなのです。

今後、羽生さんがどのように進化していくのか、ますます楽しみになりました。



「いや、練習はきついですよ。」

 
子供の年齢とメタ認知について質問する羽生さん
 

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